コラム
No.12 全般的に、ポストコロナ時代を見据えた「下支え」「維持」「継続」等の守りのキーワードの上に成り立つ「喚起」「再生」の戦略として、経済政策、国際政策、社会政策が語られています。今回は、この「骨太方針2020」の中で、医療・介護分野の将来がどう描かれているのかに注目したいと思います。 治療薬やワクチンの開発段階である現状において、経済活動の段階的引上げには、感染再拡大の防止と堅固な医療体制が引き続き強く求められます。その視点から、検査能力拡充、ワクチン開発加速・確保の重要性とともに、安定した医療の確保について、言及されています。 今回の感染症拡大を契機に、柔軟な医療提供体制、データ利活用、予防・健康づくりの重要性も再認識されたことから、ウィズコロナ時代の「新たな日常」の形として、地域社会やコミュニティ等において高齢者の見守り、人の交流やつながり、助け合いが充実した地域共生社会の構築に着目していることが述べられています。以下、一部を抜粋します。 「都道府県が、二次医療圏間の病床や検査能力等の把握と必要な調整を円滑に行えるようにするとともに、医療機関間での医療従事者協力等を調整できる仕組みを構築する。加えて、都道府県間を超えた病床や医療機器の利用、医療関係者の配置等を厚生労働大臣が調整する仕組みを構築する。累次の診療報酬上の特例的な対応や新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金等による対策の効果を踏まえつつ、患者が安心して医療を受けられるよう、引き続き、医療機関・薬局の経営状況等も把握し、必要な対応を検討し、実施する。また、本年の薬価調査を踏まえて行う2021年度の薬価改定については、骨太方針2018等の内容に新型コロナウイルス感染症による影響も勘案して、十分に検討し、決定する。」 コロナ感染症拡大が現在進行形である現段階での方針発表ですので、漠然とした見通しのみが示された状況ではありますが、この「骨太の方針」が要となって、今後次年度の予算が編成されていきます。今後を占う一つの資料として、お役立てください。 専務取締役 奥田 敏博
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