No.8
事務職員の人材育成について
病院経営の健全化と継続性を担保するためには、病院事務職員が病院経営の観点に立ち、経営指標の収集・分析から、患者・連携医療機関・地域住民等のニーズを把握し、病院の中長期経営計画、経営戦略・意思決定をするための牽引役として重要な情報発信や企画立案力を発揮する必要があります。
そのためには、事務職員の人材育成が必須となりますが、民間医療法人においては事務職員における独自の人材育成プログラムを実践することは難しく、10年20年同じ業務に携わっている職員が存在し、引き継ぎが困難な状況になっている場合もあります。この結果、民間病院では幹部職員を外部からの中途採用者でまかなっているケースが多く見受けられます。
一方で、公的病院やグループ法人においても自院独自の研修プログラムを策定し、人事異動も定期的に行われているものの、将来の幹部候補の育成には苦慮しております。
いずれにしても、どうすれば飛び抜けて優秀な人材を院内で育成できるかが課題となっております。
一言で「優秀な人材」といっても人によってどういうことが出来る人材か不明確であることから、まずは「求める人材像」についてしっかり可視化するところから始める必要があります。例えば「積極的」といっても、どのような行動が積極的なのか、明確にしなければ評価することができません。 「こういう場面でこういうことができるからコミュニケーション力がある」など、目に見えて現れている部分を評価する制度が必要です。
また、優秀な人材がどのように考えて行動しているか、という動機の部分も重要です。同じ行動をとっていても、上司に気に入られたいから行動した場合と誰かの役に立ちたいから行動したのでは同じ行動をとっていても長期的には成長度合いに差が出てきます。
なぜなら、前者は上司が見てないと行動しない可能性があり、後者は仕事の姿勢が整っていることから継続的に行動できるからです。
業務スキルの習得も大事ですが、若いうちに「マインドセット」(考え方)をしっかり学ぶことが出来れば、自己研鑽により自ら成長していくと考えます。当社では通り一辺倒の研修ではなく、真に役に立つ事務職員の育成をサポートいたします。
コンサルタント 奥田 敏博
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